大学概要【2023年度実施分】電気電子工学分野におけるSDGs達成研究活動
理工学部
本取組では電気電子工学分野からSDGsに対して何ができるかを考え,カリキュラム以外の時間において,参加学生自らが考えたSDGsを達成するための研究を遂行します。目標は年度末に開催される研究会での発表です。本取組のコミュニティは,電気電子工学科の参加学生,院生および教員から構成され,連携を密にすることにより参加学生の学習意識や就職意識に良い刺激を与えたいと考えています。
ACTIVITY
誘電?絶縁材料への植物油利用の検討
2023/11/22
3年生1名が電気電子分野での誘電?絶縁材料への植物油利用に関する研究に取り組んでいます。この学生は,昨年度にて学科の先輩とチームを組み,U-21学生研究発表会にて「奨励賞」を受賞しました。今年度は,その発展研究を実施し,昨年度よりも良い賞を獲得できるように活動を行っております。今年度の研究では,昨年度にて測定した数多くの植物油の電気絶縁特性データを基に,オリジナルの植物系電気絶縁油の開発を実施する予定です。今回の活動では,オリジナルブレンドした植物系電気絶縁油の絶縁特性を測定しました。JIS規格の調査や製品化された絶縁油の調査も行いました。
既存上水道施設を利用した水力発電に関する研究
2023/11/28
3年生3名と2年生1名がチームを組み,上水道を利用したマイクロ水力発電の特性評価に関する研究に取り組んでいます。1名の3年生の学生は1年次からこの研究に取り組んでおり,名城大学の高低差を利用したマイクロ水力発電の理論値計算や高低差や圧力が小型水力発電機の出力に及ぼす影響を調査しました。今年度は,上水道施設の水を揚水発電に使用することで,電力の安定供給やマイクログリッドに貢献できるかを検討しております。今回は,名古屋市上下水道局の施設見学(写真①と②)を実施させてもらい,さらに,本研究を議論する時間も設けてもらい(写真③),実用上の観点からさまざまな助言をもらいました。今後,この見学会にて得たものを本研究に活かしていきます。
えごま油とアマニ油を用いた電気絶縁油の開発
2023/12/27
今回は電気電子工学科3年生1名の活動を報告します。2023年11月22日の活動から研究ミーティングを数回行いました。今年度の研究は,昨年度の結果から電気絶縁性能が高かった「えごま油」と「アマニ油」に注目して研究を進める予定です(写真①)。昨年度の研究では実施しなかった真空加熱脱気処理(写真②)を加えることで,実用化の可能性を秘めた電気絶縁油を開発することを目指しています。電気電子工学科では,3年生後期に高電圧工学の講義があり,その講義内にて「液体の電気絶縁現象」に関して学びます。本研究では,液体の電気絶縁材料(植物油)に高電圧を印加させる交流絶縁破壊試験(写真③)を行います。座学だけではイメージできなかった実際の試験方法や破壊機構を目や耳で感じることで,より電気絶縁破壊現象を理解できるようになりました。
現在,大豆油,菜種油,パーム油由来の電気絶縁油が実用化されております。本研究から,えごま油やアマニ油由来の電気絶縁油の可能性を「名城大学」から発信したいです。
電気学会主催U-21学生研究発表での発表
2024/03/19
2024年3月9日に電気学会主催「U-21学生研究発表会」が開催されました。本取組にて活動していた電気電子工学科の学部2~3年生11名が3つのグループが分かれて,3件の研究成果を発表しました。研究テーマは以下の通りです。発表会はオンラインのみでの開催でした。
?既存上水道施設を利用した揚水発電の検討
?えごま油由来の電気絶縁油の開発
?プラズマを用いたさまざまな物質の親水化実験
発表会当日には,他大学生や中学生,高校生の発表を公聴することで,様々な分野の研究を勉強することができました。発表賞については後日審査結果が連絡されます。
第6回電気工学教材企画コンテストにて日本電気協会賞受賞
2024/03/19
本取組では,パワーアカデミー主催「第6回電気工学教材企画コンテスト」への作品応募を目標として活動してきました。今回のテーマは「SDGs×電流」です。電気電子工学科の学部3年生4名が3つのグループに分かれて,3作品を応募することができました。
その結果,寺野匠(3年生)さんと清水龍一さん(3年生)の作品「発電機の仕組み」が「一般社団法人日本電気協会賞」を受賞することができました。受賞式は3月14日に徳島大学で行われました。研究者の前で受賞作品の概要を説明する機会もありました。本教材作成を通して,参加学生は電気電子工学の内容をわかりやすく説明する方法とその難しさを学ぶことができました。
審査結果
https://www.power-academy.jp/info/2024/003795.html