大学概要【2022年度実施分】電気電子工学分野におけるSDGs達成研究活動
理工学部
本取組では電気電子工学分野からSDGsに対して何ができるかを考え,カリキュラム以外の時間において,参加学生自らが考えたSDGsを達成するための研究を遂行します。目標は年度末に開催される研究会での発表です。本取組のコミュニティは,電気電子工学科の参加学生,院生および教員から構成され,連携を密にすることにより参加学生の学習意識や就職意識に良い刺激を与えたいと考えています。
ACTIVITY
環境に優しい電気絶縁油に関する研究
2022/11/02
2年生1名と3年生2名がチームを組み,電気電子工学分野での環境に優しい材料開発として電気絶縁油に注目しました。電気絶縁油は電気を通しにくい油のことで,高電圧を取り扱う機器の中に含まれています。これまでに電気絶縁油として石油由来の鉱油が広く使用されていますが,近年,環境に優しい植物油由来の電気絶縁油が開発されています。今回は調理等で使っているさまざまな食用油の絶縁破壊電圧を調査しました。動画開始から5秒後当たりが油の絶縁破壊の様子です。今後は,どのようにすれば高い電気絶縁特性と持つ油を開発できるのかに検討していく予定です。

実験風景
油の絶縁破壊試験の様子
電気電子工学の魅力を伝えるための教材作成
2022/12/20
3年生2名が電気電子工学の魅力を高校生や異分野を学んでいる女子学生に伝えるためのHPやコンテンツ作成をしています。本学科においても9割近くが男子学生です。電気電子工学は難しい学問ですが,普段使用している電化製品の多くは電気電子技術によって支えられています。今回の教材作成では,この教材をきっかけに多くの女の子が電気電子工学に興味を持って欲しいという願いが込められています。今後は,同学年の女子学生に作品を見てもらい,改善点や感想を集めて作品の質を高めていきます。
植物油の電気絶縁特性の測定実験
2022/12/21
植物系電気絶縁油開発チームは,前回報告(11/2)からさまざまな植物油の電気絶縁特性を測定してきました。今回の活動では,写真①に示すようなごま油,大豆油,ポップコーン油およびオレイン酸(植物油の構成成分)の特性を測定しました。前回では,絶縁破壊電圧(油が高電圧に耐えられる能力)のみの測定でした。今回から,電気絶縁油として使うために重要な特性である粘度(写真②),密度(写真③)および体積抵抗率(写真④)の測定も行いました。今後は,これまで得られたデータをまとめ,1月の発表資料提出に向けたポスター製作を実施していく予定です。