大学概要【2019年度実施分】生物環境に対する視野を広げ主体的な学びを身に着ける場の創出

農学部

生物環境に対する視野を広げ主体的な学びを身に着ける場の創出
実施責任者:長田 典之

生物環境科学科では以前より講義や実習で得られた知識?技能を主体的に生かし,学ぶ姿勢を身に着ける基礎作りを目的に活動を行ってきました。2017年度より「学びのコミュニティ創出事業」の支援を受けてこの取り組みを発展させています。具体的には,小学生に環境に関する自由研究の講師として,学んだことをアウトプットすることや,環境に関する仕事や学外の団体が主催する実習などの体験を通し,講義?実習で得た知識を具体的な例と結び付けることで視野を広げ,社会で主導的に環境に関わる仕事や取組みを行える人材を育成することを目的として活動を行っています。

ACTIVITY

農研機構 農業環境変動研究センター研修

2019/10/09

2019年8月1日(木)~2日(金)に学部1~4年生 19名で国立研究開発法人 農業?食品産業技術総合研究機構(農研機構)農業環境変動研究センター(農環研)(つくば市)の研修に参加しました。1日目には同研究センターの神山和則氏に「農研機構および農環研の概要」、赤羽幾子氏に「研修の概要と研究者のキャリアパス」、多胡香奈子氏に「微生物と農業の関係」という演題でお話しをしていただいた。また、2日目には石郷岡康史氏に「気候変動が農業に与える影響について」、桑形恒男氏に「観音台気象観測所について」という演題でお話しをしていただいた。桑形恒男氏には、引き続いて、農環研内に設置されている観音台気象観測所の見学に立ち会っていただき、気象観測所の各種機器の説明や測定の原理などの解説をしていただいた。その後、農業環境インベントリー展示館で土壌モノリスや土壌の成り立ちについての展示、微生物生態を解析する方法やその意義に関する展示、各種昆虫標本などの展示を見学させてもらい、環境?気象?生物との関係について考える時間を作っていただきました。学生らは、研究現場で研究者の生の声を聞く機会を得、講演の内容に質問をするなど積極的に参加し、充実した時間を過ごしました。今回の研修が、農業と環境に関する知識を広げるだけでなく、将来のキャリア選択の一助となることを願ってやみません。また、今回の研修でお世話になりましたすべての皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。

農研機構、農環研および研究者のキャリアパスについての説明を受けた。

農業と微生物に関する研究について多胡研究員に講演いただき、講義や実験?実習の内容をより具体的な問題に結びつけられた。

石郷岡研究員から気象変動と農業および農作物への影響について講演いただき、環境問題への理解を深めた。

桑形研究員と赤羽研究員の引率により観音台気象観測所を見学した。

桑形研究員により気象観測所で使用する温度?湿度計など各種計測機器などの解説していただいた。

今回の研修でお世話になった研究員の皆さんと参加した学生たち。

夏休みこども自由研究

2019/10/09

2019年8月6日(火)に学部4年生、大学院生18名が中心となって、「夏休みこども自由研究」を行い、37名の小学生が参加しました。実験のテーマは「鏡像花柱性をもつ花のひみつ:他受粉促進の仕組み」、「いろいろな葉っぱの大きさや形を比べてみよう」、「手作り花火で酸性雨について学ぼう!」、「生物から電気を取り出そう!」の4テーマでした。学生たちは講義や実験実習や卒業論文研究、修士論文研究で得た知識などを活かして、小学生たちに科学の面白さを伝えました。参加した小学生からは「自分でも家で材料を集めてやってみたい」、「昆虫や動物などの自由研究がやりたい」といった意見や、保護者の方からは「白衣が用意されていて始まる前からとても喜んでいた」、「定員をもう少し増やしてほしい」といった意見があり、このプログラムの人気が高いことが分かりました。学生たちにとっては、生物環境科学科で学んだことを、どのように伝えていけばいいのかを考えるきかっけとなりました。また、自らの卒業研究や修士論文の研究内容を見直すきっかけにもなったことと思います。「夏休みこども自由研究」に参加した小学生たちが、将来、自分の夢を実現することに少しでも役に立てることができたならば、教えた学生たちも本望だと思います。

花の構造を調べて他花受粉の仕組みを学びました。

葉っぱの大きさを測って比べてみました。

線香花火を自分で作って、酸性雨について学んでみました。

微生物燃料電池を作りました。LEDが光るといいなぁ。

新妻学科長から自由研究閉会の挨拶をしていただきました。

子どもたちの将来の夢を実現する役に少しでも立てたなら幸いです。

第28回ペドロジスト?トレーニングコース

2019/10/16

2019年9月24日(火)~26日(金)に行われた第28回ペドロジスト?トレーニングコースに参加を希望した学部4年生3名が参加しました。このトレーニングコースは、土壌断面調査の基本、分類法を習得することを目的として毎年行われるもので、本年は九州大学の平舘俊太郎氏、森 裕樹氏が世話人となり、九州大学農学部附属演習林福岡演習林(福岡県糟屋郡篠栗町および久山町)で行われ、全国の学生および研究者の約40名が参加しました。講師には、三浦英樹氏(国立極地研究所)、前島勇治氏(農研機構),中塚博子氏(東京農大)のペドロジーのスペシャリストが講師を務め、平舘氏が進行役を務めました。日中は、土壌断面を6班に分かれて調査し夜には調査した結果を各班の代表者化が発表し、断面の分類方法についてディスカッションおよび総括を行いました。このトレーニングコースへの参加は3回目で、2年連続で参加した学生も2名いました。このトレーニングコースは、他大学の学生と交流を深めながら、生物環境の研究に重要な土壌の調査方法を専門家から学ぶ点でも意義深いことです。また、参加した学生が、今後の研究活動で、主体的かつより確かな形で土壌調査を進めることによって、他の学生にも主体的な学びが波及する点で、本トレーニングコースへの参加は非常に有意義なものとなりました。

全国の大学?研究所からの参加者とともに調査地域をめぐる。

狭い地域の森林の中にも母材や地形などの違いによって生成される土壌は多様である。

調べた土壌断面の結果について発表、議論した。

冬休みこども自由研究

2020/02/12

2019年12月22日(日)に学部3~4年生、大学院生20名が中心となって、「冬休みこども自由研究」を行い、43名の小学生が参加しました。実験のテーマは「いろいろな葉っぱの大きさや形を比べてみよう」、「入浴剤を作ってみよう~お風呂は酸性?アルカリ性?~」、「クリスマスツリーを見て考える針葉樹と広葉樹のかたちの違い」、「四季を彩る葉っぱのひみつ イチョウの色の変身術!?」の4テーマでした。学生たちは、講義や実験実習、卒業論文研究、修士論文研究で得た知識などを活かして、小学生たちに科学の面白さを伝えていました。また、この冬休みのこども自由研究が初めての参加となる3年生には、4年生や院生が前回の経験を活かして、子供たちへの教え方を伝えていました。参加した小学生たちにとっても、季節にあった企画も多く、楽しんで実験をできたことと思います。

葉っぱの大きさや形にはどのような関係がある?

遠心機? 洗濯機なら家にあるけど...

針葉樹と広葉樹のかたちの違いとは...

3~4年生や院生が、小学生に講義や実験実習、卒業研究などで得た知識を試行錯誤しながら伝えました。

北海道大学苫小牧研究林研修

2020/02/12

2020年1月29日(水)~31日(金)に学部3年生と修士1年生の計 3名で北海道大学北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林(北海道苫小牧市)の研修に参加しました。1日目に移動し、2日目から3日目午前中にかけて苫小牧研究林において職員が行っている樹木の伐採作業について説明を受け、実際に作業を体験しました。3日目午後には樹木の枝打ち作業について説明を受け、実際に作業をおこなうとともに、苫小牧研究林において行われているシカの密度操作実験区を見学し、研究についての説明を受けました。学生らは、大学研究林という職場の木材伐採作業という普段行うことのできない貴重な体験をする機会を得て、作業内容について積極的に質問をするなど、充実した時間を過ごしました。今回の研修が、環境に関する知識を広げるだけでなく、将来のキャリアの一助となることを期待します。今回の研修のお世話になりましたすべての皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。

苫小牧研究林において行われている木材伐採作業の説明を受けた。

実際に伐採作業を見学し、作業体験を行った。

危険でない作業を積極的におこなった。

伐採された樹木の年輪をカウントし、林齢と一致するか確認した。

枝打ち体験を行った。

苫小牧研究林において行われているシカの密度調査プロットを見学し、研究の解説を受けた。

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