大学概要【2016年度実施分】まちづくり実習プログラムの開発
理工学部
理工学部社会基盤デザイン工学科では,まちづくりのデザイン力を養成するため,「デザイン学入門」,「ランドスケープデザイン」,「都市デザイン学」などの科目を設け,学んだ知識を実践する科目として「まちづくり実習」を開設している.
この「まちづくり実習」では,自治体が実際に抱えている問題の解決策を受講生たちに提案してもらう.その過程では,対象自治体を,自らの足で歩き,自らの目で見,自らの耳で聞いてもらう.まち歩きではタブレットを活用し,また,受講生同士がリアルタイムで情報共有ができるように,今回,まち歩き専用のアプリを開発する.これにより,新しい調査方法やアイデア創出につながることを期待している.
ACTIVITY
長久手市の課題概説とまち歩き
2016/12/05
理工学部社会基盤デザイン工学科3年生の講義科目である「まちづくり実習」の一環として,10月4日に,長久手市の現地視察に行きました.まずは長久手市役所において,担当者から長久手市の概要と現状について,そして市として捉えている現状の課題についての説明を受けました.その後,バスの中で担当者から説明を受けながら,長久手あぐりん村,リニモの公園西駅と長久手古戦場駅,最近人口増加が著しい市が洞地区を視察しました.日本の多くの地域では人口が減少している中,ここ長久手市は人口の増加率が日本でも最上位であり,住宅地開発もそれに伴う社会基盤の整備も進んでいて,このような地域の現地を見ることは,都市をデザインする学生たちにとっては格好の題材になりました.
リニモのはなみずき駅からは,陶磁資料館南駅までリニモに乗車して長久手市内を上空から観察するとともに,愛知高速交通株式会社の車両基地へ向かいました.車両基地では,車庫でリニモの実物を見ながら磁気浮上の仕組みの説明を受け,その後,運転指令室の見学もさせてもらいました.安全確保の姿勢や新交通システムの技術力の高さを認識するとともに,長久手市のまちづくりにとってリニモが不可欠であることを実感していたようです.
瀬戸市の課題概説とまち歩き
2016/12/26
理工学部社会基盤デザイン工学科3年生の講義科目である「まちづくり実習」では,10月4日の長久手市の視察に続き,10月18日に瀬戸市の現地視察に行ってきました.瀬戸市は長久手市に隣接するものの,市が抱える課題は大きく異なり,受講生たちにとっては都市デザインを考える上で恰好の題材といえます.
菱野団地で市の担当者と合流し,菱野団地の現状と問題点についての説明を受けながら,団地内をバスで巡回しました.その後,バスを下車し,徒歩で菱野団地商店街と菱野センタービルの周辺を視察するとともに,NPO法人瀬戸地域福祉を考える会まごころ代表の大秋さんより,住民目線での菱野団地の現状や皆さんで取り組んでいるまちづくり活動の内容についての話をしてもらいました.まちづくりに汗を流している方々そして住民の方々の生の声を聞くことができ,受講生たちにとっては,郊外団地の高齢化の問題を考える良いきっかけとなりました.
続いて,菱野団地からバスで瀬戸蔵ミュージアムに移動し,市の担当者より市の概要及び現状の課題についての説明を受け,その後2つの班に分かれ,中心市街地の末広町商店街,銀座通り商店街,法雲寺,無風庵周辺を徒歩で視察しました.中心市街地を自分たちの足で歩き,自分たちの目で見ることによって,郊外団地だけではなく,中心市街地においても多くの課題があることを実感していました.自分たちの肌で感じ,自分たちの目で見た実感こそが,問題解決の糸口につながっていくことでしょう.
ファシリテーション技術と対象自治体における課題設定
2017/01/07
パブリック?ハーツ株式会社代表取締役の水谷香織さんを非常勤講師にお招きし,ファシリテーションとは何か,ワークショップの方法などについて講義を行ってもらいました.
その後,実際にワークショップを体験してもらうため,6人程度の班を編成し,長久手市を対象自治体とする4班と,瀬戸市を対象自治体とする4班の2つのグループに班を分け,まずは,それぞれの自治体の課題についてワークショップ形式でまとめました.最初はなかなか議論に参加できなかった受講生たちも,講義で習った方法に従って進めていくうちにだんだんと議論に加わることになり,最後には,立って一生懸命に作業をするグループが目立ちました.
ワークショップの最後には,班でまとめた対象自治体の課題をポスターとしてまとめ,班ごとに発表を行ってもらい,水谷香織さんから講評をしてもらいました.今後は,これから行う現地調査の結果を踏まえて,今回まとめた課題に対する解決策を班ごとに提案してもらうことになります.