大学概要【2016年度実施分】ミニマシンの設計製作
理工学部
設計関連科目の集大成として、設計から製作、組立までを一貫 して行い、小型機械を動かすために必要な合理的な方法論と行動を学び、設計した機械の動作実演までのプロセスを体験する。具体的には、多様な 分野からの課題を、小グループに分かれたチームワークで、学生同士の「学びのコミュニティ」を構築し、自ら調べ考えながら、要求機能を満たす 機構?構造の設計製作を期間内に行う。学生は、失敗体験も含めて様々な経験を通して、問題解決ができることに「気づき」「学び」「行動する」 プロセスを経験による実践的な学習体験ができる。
ACTIVITY
ミニマシンの中間レポートその1(1/20更新)
2017/01/20
説明会は4名の教員によって行われた.内容は以下の通り示す.
環境に適応した小型風車(古川 裕之)
地球環境への関心が高まる中,自然エネルギーを利用したクリーンエネルギへの期待が年々高まっている.その中でも風力発電は,太陽光発電と並んでクリーンエネルギの代表であり,これまで、多くのメーカー、研究機関がさまざまなタイプの風力発電機に取り組んできた.特に風車はすでに実用段階であり,日本国内でも数多くの風車が建設されている.ひとくちに風車といっても,形状,駆動原理,適用範囲はさまざまであり,風の強弱など使用する環境に応じた風車の設計が必要である.本講義では,環境に適応した小型風車を設計?製作することを目的とする.
ホイール式ピッチングマシンの設計製作(ペトロス アブラハ)
ピッチングマシンには様々な機構?デザインのものがあり,最も一般的なタイプはアーム式とホイール式の二種類です.ばねの力を利用するアーム式のものは打撃タイミングが取りやすいですが,様々な球種を投げることが難しい.一方,一つから三つの車輪(ホイール)の回転力を利用するホイール式が様々な球種や球筋を再現することができ,また発射口の角度を変えることによってフライやゴロの打球を再現し,守備練習を行うことができる.本講義では,アームの角度,ホイールの回転数などを変えることにより,直球および無回転を含む変化球を発射可能とするホイール式ピッチングマシンの設計製作することを目的とする.
リンク機構 『メカモ』(大島 成通)
『メカモ』とは商品名で,これはもともと,自然の生物に似たアルミ製のロボットでした.モータの回転運動を,ギアやクランクを使って複雑な動きに変換して全体を動作させるというものです.これらは機械工学の観点から,「いかに少ないエネルギーで,しかも簡単な構造で,理にかなった動きをさせられるか」ということを追求した結果生まれたものでした.当初,メカニカル+アニマルの造語で「メカニマル」と名づけられました.昭和43年(1968年)頃の事です.メカニマルは,車の懸架装置(サスペンション)の研究から生まれたものであり,機構としてはまさに「リンク機構」そのものです.後にこれが『メカモ』という名前で発売されたのは昭和47年(1972年)のことです. 本取り組みでは,『メカモ』のリンク機構を検討し,再現,もしくは,自分の発想の「メカニマル」を創ってみよう!
本年度は、リンク機構だけにこだわらず、Raspberry Pi や ARDUINOなどを用いた制御にも挑戦してみよう!
小型コーヒー焙煎機(清水 憲一)
コーヒーの焙煎はとても奥が深い.温度を上げていく過程で,複雑な化学反応が起きることによって,あの香ばしい薫りとコクが生まれるが,その際,わずかな温度変化などによって,焙煎された豆の品質は大きく損なわれてしまう.まず美味しいコーヒーを焙煎するためには,焙煎むらが生じないようにすることが大切で,そのためには豆を上手に撹拌する機構が必要である.また焙煎の過程で生じるチャフ(渋皮)は,燃えて豆を焦げ臭くしてしまうので,これを速やかに除去する集塵の仕組みも欠かせない.このように,コーヒー豆の焙煎には,化学や機械工学,電気回路など様々な分野の知識が必要で,これらをシステムとしてまとめ上げることによって,はじめて焙煎機として機能する.それはまさに小さな「化学コンビナート」と呼ぶにふさわしい.本課題では,グループ内の役割分担と協力を通じて,将来,企業において技術者として活躍するための素養を育てる.