大学概要【2025年度実施分】海外大学の学生との共同研究による英語でのSDGsアイデア発信
経済学部
世界共通の重要課題であるSDGsに関して、共同研究?共同発表会を海外の大学数校と実施する。名城大学海外協定校を中心に実施するが、まず今までに個別で共同発表会を実施したことのある次の大学と開始する。(オランダ?ライデン大学、ベトナム?ハノイ経営工科大学、マレーシア?マラヤ大学、タイ?タマサート大学、台湾?台中科学技術大学、真理大学等)
世界共通課題を、各国の地域性、政治状況、経済状況、価値観、環境等が異なる状況で、各国の学生たちが、相手国の立場や考え方を理解し、協力し合う事の重要性を学ぶ。
ACTIVITY
「オランダの現状と課題」セミナー報告
2025/06/21
6月13日(金)10:00?12:00 天白キャンパス E303教室にて
オランダのCorporate Lawyer(企業弁護士)、Legal Consultant(法律コンサルタント)であるPaul Thijssen 氏(MDD Legal)によるセミナーを実施しました。
国際フィールドワークでオランダ研修をする学生達が、オランダの強みと課題、多様性を重んじる価値観、法制度の特徴、企業文化の実態など、ヨーロッパの中で際立つ存在であるオランダの“今”をオランダ弁護士と語り合いました。
<学生感想抜粋>
経済学科 4年
オランダの実情を聞くことができた時間でした。弁護士さんが語ることによって、言葉に重みがありました。死刑がオランダにもあることや、囚人に労働をさせることで、足りない労働力を補っているというところも初めて知りました。日本でも、少子高齢化が進んでおり、人手不足が課題として挙げられています。真似できるところもあるのかなと思いました。
また、日本と似ているところもあることを学びました。一つ目は、育休や産休などを取ることはできるけど、昇進に不利になってしまうから取らない選択肢を取る人がいるところです。日本でも育休などは取れるけど、特に女性は昇進が消極的なところがあるので少し似てるなと思いました。二つ目は、政党に右翼と左翼という考え方がしっかりあるところです。このような似てるところや違うところを実際にオランダの人から聞けて面白かったです。
経済学科 4年
話を聞いて、オランダも日本と同じ問題を抱えているのに幸福度がなぜこんなにも違うのか少し理解できた。まず、オランダも日本と同じ人手不足という問題を抱えていたが、オランダは労働組合の強さや手厚い手当等で労働者を大切にしている点が、幸福度の違いに大きく貢献しているのではと思った。しかし、オランダでもキャリアプランのために有給を取るのを控える人がいる点では、残業なしや有給消化を徹底していそうなホワイトのイメージを持っていたので驚いた。しかし、オランダの働き方や労働者への対応だけで幸福度の差に大きく影響があるものなのか不思議だったので、他に影響する点がないのか気になった。またオランダで出産したら何年かは手当で働かなくてもいいみたいな話があって、そういう手当があるだけではなく、手厚い点は人手不足を抱える日本でも取り入れるべきだと思った。
経済学科 4年
私が1番印象に残ったことはオランダの会社は社員に手厚い保証を行っていることです。日本よりも様々な有給休暇があり休日の多さに驚きました。こんなにも社員に対して手厚いのは会社にとって負担では無いのか、それで利益は出るのかとポールさんに質問したところ、そんなことを考えるよりも会社は社員を大切にしないといけない。それが後に繋がると言われました。(オランダでは人材不足問題があるためでもある)
確かに正しいと思いますが、日本では従業員を雇えば雇うほど出費がかかり赤字になっている会社がたくさんあると感じています。社会に出て従業員として雇われるなら福利厚生の充実さを求め、会社を立ち上げる場合コスト削減を第1に考えてしまうと思います。
どのような思考や利益の上げ方をすれば、従業員のことを考えて会社も従業員も幸せな会社になるのだろうかとオランダの企業についてより興味を持ちました。
産業社会学科 3年
今回、ポールさんのお話を聞いてオランダについてさらに理解を深めることができた。特に印象的であったのが社会保障制度や働き方の違いについてだ。オランダでは怪我した時やうつ病になった時の休暇手当や有休がとても充実しており、労働者が徹底して守られているという話が合った。日本もこういった社会保障制度はあったがまだまだ発展途上であるといえ、オランダの手厚さに驚いた。労働時間も一日6時間ほどであり日本の就業時間平均より大幅に少ないといえる。オランダは効率を重視していることもあり、少ない時間で集中するという考え方を持っており、日本もこれに関しては見習うべきであると思った。労働という全世界で行われていることでも国を超えるだけでこれだけ違いが生まれることを知れて貴重な経験となった。
学生によるSDGsアイデア発表会を開催
2025/07/18
7月2日(水)15:00~18:00 天白キャンパスN105にて
企業約30社50名を招待して、「学生によるSDGsアイデア発表会」を開催した。
8チーム 合計32名の学生たちが、自分たちで調査し、考えたSDGsアイデアを企業の方々に対して発表し、その後コメントやアドバイスをいただき、発表後は企業の方々とローテーションで個別対話の時間を設け、発表内容に対するコメントや、企業に関する情報等、活発に意見交換の時間を設けた。学生たちは直接企業の方々と話すことができる企業な時間を持つことができ、貴重な学びとなった。学生の感想を集約すると以下のとおり。
① 発表準備?内容面での学び
アイディアの創出の難しさを実感し、オリジナリティの限界や、現実性の検証の重要さに気づいた。
既存のアイディアをブラッシュアップする発想が有効であることに気づいた。
先行事例の調査が、質の高いアイディアの源になると認識した。
グループで協力しながらスライドや構成を作り上げ、チームワークの大切さを体感した。
② プレゼンテーションを通じての気づき
練習どおりに発表できたが、聞き手に伝える難しさを感じた。
スライドの使い方や、図?グラフ?事例の活用が足りなかったと反省。
他グループのプレゼンから、自分の伝え方や表現力の不足を実感。
「自分の言葉」で話す重要性、聞き手との対話的な発表の必要性に気づいた。
③ 企業の方との対話から得たもの
アイディアの実現可能性や社会的な視点の欠如を指摘され、自身の視野の狭さに気づいた。
一般的なイメージを考慮していなかったことなど、ユーザー視点の重要性を学んだ。
企業の方からのアドバイスを通じて、就職や将来のキャリアについても考えるきっかけになった。
「焦らず、興味あることを探す姿勢でよい」との言葉に安心しつつも、行動を促された学生もいた。
④ 自己成長?挑戦の実感
内向的な性格を乗り越えて発表に挑戦した経験や、緊張の中での本番を通じた自信の獲得。
発表での失敗も含め、それをポジティブに捉え直す力を得た。
班員との連携や発表後の懇親会での交流を通じ、コミュニケーション力?積極性を高めることができた。
発表後の企業との関わりを通じて、今後のインターンシップや進路へのつながりも生まれた。
総括
学生たちはSDGsに関する発表を通じて、「アイディアの創出」「伝える力」「チームでの協働」「社会との接点」という複数の観点から貴重な学びを得た。成功だけでなく、反省や課題も多く記されており、それぞれが今後に活かしていきたいという前向きな意識を持っている点が印象的であった。