大学概要【2023年度実施分】美的感性データライブラリ構築と地域創生?価値教育への応用
情報工学部
感性工学やデータサイエンスの手法を用いて景観の「美しさ」に対する定量的な分析や構造化を進めるとともに、地域や季節などによる差異を分析し、その特徴や価値の保全、景観に関わる人材育成、地域らしさの創生、価値教育などに貢献することを目指す。
ACTIVITY
日本色彩学会全国大会での研究発表
2023/07/24
2023年6月24日?25日に東京造形大学で開催された日本色彩学会第54回全国大会(開催)に、学生5名(理工学研究科修士1年4名、理工学部情報工学科4年1名)を引率して研究発表を行ないました。発表タイトルは「SD法による地域景観の印象構造分析と季節要因の影響の検討」と「名古屋コーチンの卵殻色の適合性可視化システムの試作」でした。どちらもポスターセッションでの発表で、学生たちが協力して聴講者に説明し、さまざまな視点から意見をいただき、今後の研究の方向性を確認することができました。
美しい色風景アイデアフラッシュ開催
2023/07/24
2023年7月6日、「色風景」をテーマにしたアイデアソンを、本学天白キャンパス研究実験棟Ⅲのinnovation hubにて実験的に試みました。社会人10名と学生9名から両者が混合する4グループを構成し、ファシリテータは三尾幸司氏(社会デザイン?ビジネスラボ/株式会社JSOL)に引き受けていただきました。社会人参加者の職業は、自動車部品メーカ社員、IT企業社員、情報系の大学教員、美術評論家、景観デザイナー、ジュエリーデザイナーなど多彩で、関東からの4名と関西からの2名を含み、年齢も22歳から82歳まで幅がありました。グループ別にアイディエーションとディスカッションを繰り返し、数多くの発想を交換することができました。最終的なアイデアは今後のプロジェクトや事業へ活かす予定です。
色彩の世界会議 The 15th AIC2023 Chiang Raiでの研究発表とタイ北部の美しい色風景データ収集
2023/12/24
4年に一度開催される色彩の世界会議AIC2023が2023年11月27日~12月2日にタイのチェンライで開催されました。理工学研究科修士1年4名と共に参加し、ポスターセッションで研究発表を行いました。発表したData Analysis of Regional Aesthetic Factors on “Colorscape” in Japan(日本の色風景における地域の美的要因の分析)は、愛知県の一宮?常滑?有松の特徴的な色彩について論じる内容で、国際色彩学会の環境色彩設計研究グループのリーダーであるVerena M. Schindler氏(スイス)に興味を持っていただき、帰国後も連絡をとりあい、今後の連携を確認しました。
また、学会プログラムの一環として行われたチェンライ(タイの最北部)の文化視察では、鮮やかな青色の寺院や真っ白の寺院など、色彩を扱う学会ならではの場所を巡りました。現在私たちの研究グループは、世界の美しい色風景データライブラリを準備中ですが、そのサンプルデータを集めることができました。
日本色彩学会 講演会『音の世界の研究から美的感性を考える』の企画と運営
2023/12/24
2023年12月9日(土)13時より、学術講演会『音の世界の研究から美的感性を考える』を開催しました。日本色彩学会の美的感性研究会と東海支部の共同企画としてお二人の研究者をお招きし、五感情報から心が動かされる現象について考える機会としました。名城大学天白キャンパスの会場に加えZoomによるオンライン参加も併用したハイブリッド開催とし、参加者は60名近くとなりました。牧勝弘教授(愛知淑徳大学)による「明器と名演奏家の音の特徴と感動を生む脳」、長田典子教授(関西学院大学)による「感性工学におけるプロダクトデザインと美的感性」の2つの話題提供のあとに、若田忠之講師(湘南工科大学)と川澄未来子教授(名城大学)がファシリテータとして加わり4人で総合討議を行いました。名器ストラディバリウスの立体的な音響特性、初心者と熟練者の違い、音と色彩の共感覚保持者の感覚特性、和音の調和感覚の普遍性や個人性、美と快?不快の関係性など、多岐の話題に広がり、あっという間の3時間でした。事後アンケートから、多くの参加者に満足いただけたことが伺えました。