大学概要【2023年度実施分】学生が生み出す「社会とつながる場」のデザイン

理工学部

学生が生み出す「社会とつながる場」のデザイン
実施責任者:石井 仁

モチベーションが高く建築設計課題において優秀な成績をおさめる選抜された学生を対象とした、教育プログラムであり次を実施する。
1)年初に教員が希望者(2年~M1)を募り企画?実施する。
2)教育コンテンツは下記であり、「社会とつながる場」はZOOM等を活用し学外も視野に入れ、発信対象は在校生に高校生等を加える。
  ?学生主体の特別講義の開催(2回)
  ?学生主体の建築設計作品の特別講評会の開催(1回)

ACTIVITY

武田清明氏の建築作品の視察と事務所訪問

2023/12/11

 9月下旬に、著名な建築家である武田清明さんの事務所を訪問し、建築作品を見学しました。
 見学した「鶴岡邸」はアーチが連続する特徴的な屋根や天井を持つ建物で、その屋根部分や天井には土が入って雨を溜めて徐々に排水する、人工地盤の役割を果たしており、環境装置としての新たな建築の可能性を追求した作品です。石神井公園の緑の近くにあり、この建物もまた地域に緑の景観を提供しています。武田氏は「手に取るような自然」として居住域と自然が行き来するような関係を目指したとの説明でした。また敷地内屋上も含めて、付近の鳥や風などが運んでくる植物の種が建物を覆い始めるのを楽しむ建築とのことでした。内部空間はアーチ形状の連続で空間がゆるやかに仕切られ、奥行きが感じられます。内外の素材は年月を経ても風合いが出て劣化が感じられづらい素材を選択しているとの説明でした。
 学生達は、本作品および次のプロジェクトの模型などについて建築家自らの説明を受け、実空間においてデザインの意味や、試行錯誤の過程を確認することができた様子でした。学生から積極的に質問をすることで意見交換が活発に行われ、充実した視察となりました。

「鶴岡邸」を外周からみる

プロジェクトの模型を通して建築家よりそのデザイン思想を学ぶ

熱心に模型をのぞきこむ学生達

屋上庭園のぶどう棚を見学する学生達

学生主体の特別講義 建築家 原田真宏 氏

2023/12/26

原田真宏氏とのオンライン打ち合わせ
 本チームでは、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO(以下、マウントフジ)から建築家として活躍されている原田真宏先生の「作品見学?設計事務所見学」と「名城大学での特別講義」をしていただく機会を持ちました。原田真宏先生は、隈研吾建築都市設計事務所、ホセ?アント、ニオ&エリアス?トレス アーキテクツ(バルセロナ)?磯崎新アトリエを経て、原田麻魚先生と共にマウントフジを設立されました。
 2023年10月19日にズームオンライン会議にて、作品見学?設計事務所見学と名城大学での特別講義に向けた原田先生と参加学生間での打ち合わせを行いました。原田先生と所員の福永さんが参加して下さり、学生からプロジェクトの概要、今後の予定、作品見学の候補地、事務所訪問時に聞きたい内容を発表し、見学する作品や事務所訪問についてアドバイスを頂きました。

MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIOの建築作品の視察と事務所訪問
 2023年11月20日と21日に東京都と栃木県、千葉県にて、マウントフジの作品見学と事務所への訪問を行いました。
 1日目は、新幹線で名古屋から、栃木県益子町に向かい、道の駅「道の駅ましこ」へと訪れました。のどかさの中に活気のある風景を堪能したのち、千葉県流山市、流山おおたかの森S?Cの新館「FLAPS」へと訪れました。夜は東京都、マウントフジ設計の宿泊施設である「Hotel Siro」に宿泊し、1日たっぷりと原田先生の作品の世界を体験することができました。
 2日目は、午前中に完全予約制の賃貸住宅未来展示場「ROOFLAG」の見学を行いました。そして夕方、マウントフジの設計事務所を訪問しました。所員の福永さん、武井さんを中心に、作品の解説や設計の時に考えていることなどをお話しいただきました。その後、訪問を行ったプロジェクトについて、担当者の方に解説していただきました。学生からの質問にも答えていただき、双方向のやり取りのある有意義な時間となりました。

設計事務所で所員さんからお話を聞く

「道の駅ましこ」の風景を堪能する

「FLAPS」の屋外空間を散策する

「ROOFLAG」の内部空間を体験する

原田真宏氏の学内特別講義
 2023年12月13日、名城大学天白キャンパスに原田先生をお呼びして特別講義を開講しました。ズームオンライン会議による同時配信を行い、全国から高専生を含む100名以上の参加がありました。特別講義までの間、作品見学と事務所訪問の内容を踏まえ、特別講義の初めに行う学生発表に向けて準備を進めました。また、特別講義のフライヤーを学生が作成しました。

 当日は、学生から15分の発表、「未来のスタンダードを考える」をテーマに学生から集めたヒアリングをもとに未来の建築への手がかりを思考する発表を行いました。その後の原田先生の90分の特別講義では、マウントフジの作品の解説とともに、設計のプロセスや原田先生の考え方のひとつである「調和した現実」を創り出す手法についてのお話がありました。最後の質疑応答の時間には、参加者2名から質問があり、原田先生が設計活動の中で用いる言葉のつかい方、受注されるお仕事などの解説をしていただきました。

特別講義の様子

作品を映しながら学生に語りかける原田先生

 今回のプロジェクトでは、最初のオンライン打ち合わせから作品見学?事務所訪問、特別講義まで連続して一人の建築家を追うことで、第一線で活躍する建築家の考えを、肌で感じながら学ぶことができたと思います。また学生主体となって働きかけることの大切さや、プログラムを進める上で様々な人にご協力頂き、とても有意義な活動ができたと実感しております。
(修士課程1年 市原大輝)

藤原徹平氏の作品見学と特別講義、講評会の開催

2024/01/11

 学生が生み出す「社会とつながる場」のデザインでは、有名建築家に学ぶ機会を創出しています。学生が現代社会でご活躍されている建築家について調べ、話を聞きたい建築家を選出し、建築家の事務所と作品を訪問し、講演会を一般にも公開しながら開催するプログラム。
 第3弾として、建築家で横浜国立大学准教授の藤原徹平先生にお越しいただきました。

 まず、事務所訪問と作品見学のために東京に出張しました。事務所では最新の作品や建築に関する考え方を紹介いただき、作品見学では「赤羽の児童養護施設の交流ホール(星美ホーム サローネ)」(写真1)や、クルックフィールド(写真2:ただし、写真は草間彌生氏の作品を背景に)の見学を行いました。

 更に、名城大学にお越しいただき、様々な建築作品や考え方に関するご講演をいただき、卒業設計作品や課題作品の講評もしていただきました。

写真1:赤羽の作品

写真2:クルックフィールドでの集合写真

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