大学概要【2017年度実施分】実習?体験を基盤とした産官コーオプ教育プログラムによる能動学修の推進
農学部
MS-26で掲げている価値観、すなわち“多様な経験”、“学びを楽しむ”の実現において、実習教育は極めて重要です。本取組は、昨春リニューアルされたばかりの新プラント(附属農場 教育研究館)を活用した食品加工実習を中心に据えた実践的プログラムです。最新かつ衛生的環境下で食品製造の理論と実際を学ぶことができるだけでなく、これに民間工場(産)あるいは農学関連行政(官)との交流を組み合わせることで厚く肉づけされた、現場に立脚した課題発見?解決力の醸成を志向する実践的能動学修推進プログラムです。
ACTIVITY
農林水産省東海農政局との協同授業(12/25更新)
2017/12/25
昨年度に続き、官との協同企画の一つとして「食と社会」をコンセプトとした農林水産省東海農政局の局員様によるリレー講義(世話人:小原章裕先生)を、5月から6月にかけて計4回実施した。主に応用生物化学科1年生を対象に行った本講義?企画にはおよそ100名の学生が参画した。日本の食糧事情、食糧安全保障、農薬の適正使用、食の6次産業化等、今後の農学関連産業の発展を見据えた極めて重要かつ充実した内容の講義が履行された。
以下、参考資料
■食と社会(1) ?我が国の食料事情について(東海農政局?企画調整室)
昭和40年度には73%であった我が国の食料自給率は、現在39%と先進国の中でも最低の水準となっています。本講義では食料自給率を通して我が国の食料事情を考えるとともに、27年3月に策定された食料?農業?農村基本計画における自給率目標についても解説します。
予習の目安:農林水産省HP 知ってる?日本の食料事情
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/index.html
■食と社会(2) ?野菜を社会に安定的に供給するために(東海農政局?生産部)
野菜は、天候によって作柄が変動しやすく保存性も乏しいため、短期間に価格が大きく変動するという特性を持っており、その需給や価格の動向は、生産?消費の双方に大きな影響を及ぼしています。本講義では、国産野菜を安定的に供給するための制度や対策事業について解説します。
予習の目安:農林水産省HP 野菜のページ
http://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai/index.html
■食と社会(3) ?農薬の適正使用について(東海農政局?消費?安全部)
農作物を生産する際に用いられる農薬について、我が国における食の安全を確保する基本的な考え方、仕組み、そして、農薬の必要性、適正使用を確保するために行っている取り組みを説明します。
予習の目安:農林水産省HP 農薬コーナー
http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/
(予習等を要しない講義内容とします)
■食と社会(4) ?食の6次産業化と輸出戦略(東海農政局?経営?支援事業部)
6次産業化?地産地消法に基づく、農山漁村の所得向上、雇用の確保等に向けた取り組みに関する施策及び農林水産物?食品の国別?品目別輸出戦略に基づき、農林水産物?食品の輸出促進を目的に進められている施策等について説明します。
予習の目安:農林水産省HP 輸出促進、六次産業化
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/index.html
食品加工実習(8、9月)(12/25更新)
2017/12/25
応用生物化学科2年生のおよそ半数(約60名)に対して、食の安全?安心に関する事前講義を1コマ、工場見学を1日、3日間の畜肉加工、2日間の醸造実習を行った。工場見学は味噌、酢といった醸造製品を扱う会社を中心に行った。畜肉加工実習では、豚ももの大きな塊肉(10kg弱)を原料に、ソーセージ、プレスハム、ロースハム等の加工品を製造した。醸造実習では、大豆、麹を用いて、味噌製造を行った。学生にとっては、机上で学ぶ理論と実際が有機的に結びつく貴重な機会になったとともに、製造工程における安全確保の大変さと大切さも同時に実感できたのではないかと思われる。
食肉製品製造演習(3/22更新)
2018/03/22
10月におよそ一週間かけて応用生物化学科 食品機能学研究室3、4年生に対して、加熱食肉製品ならびに非加熱食肉製品の製造演習を行った。一昨年度リニューアルされた新しい食品加工施設を利用して小規模ながら伝統的製法を実践し、製品の最終チェック、真空包装まで行った。また、富山県氷見市と本学農学部との連携事業の一環としてジビエ肉の有効利用が掲げられているが、その手始めとして、実際に氷見市に提供いただいたイノシシ肉を使って、学生とともに発酵ベーコンの製造を試みた。
今年度も食肉関連の講義の中で、食品加工実習受講者と非受講者における食の安全?安心に関わる基礎知識の比較を行った結果、食品加工実習受講者と非受講者間で、若干ではあるが、受講者の方が食の安全や食品加工に関する基礎知識の定着の程度が高い様子が伺えた。このことは、受講者の食への関心がもともと高いことに起因する可能性もあるため、直接的に事業の効果によるかどうかは判断し難いところもあるが、興味深い結果であることは確かである。現カリキュラムの完成年度を迎える次年度も引き続き検証を続けるとともに、総括を結びたい。