トップページ/娱乐老虎机_mg老虎机-【唯一授权牌照】 名古屋市科学館でノーベル賞受賞者の天野浩特別栄誉教授の特別講演会を開催
青色LEDの開発の意義や研究の取り組み方などを約200人に語りかける

青色LEDの開発で赤﨑勇特別栄誉教授とともに2014年にノーベル物理学賞を受賞した天野浩特別栄誉教授の特別講演会が8月30日、名古屋市中区の市科学館内にある「あいち?なごやノーベル賞受賞者記念室」で開催されました。「世界を照らすLED-青色LED創成までの道のりと社会への貢献-」と題した講演と参加者との座談会を通して、天野特別栄誉教授は親子連れら参加者約200人に青色LED開発の意義や研究の取り組み方などを語り掛けました。
「これだという道が見つかるまでは待つことも勇気」と天野特別栄誉教授
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講演する天野特別栄誉教授
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親子連れら約200人が聴講
名古屋市科学館では2021年3月に愛知県と名古屋市によって地元ゆかりのノーベル賞受賞者の功績を伝える「あいち?なごやノーベル賞受賞者記念室」が整備されました。特別講演会はその一環として「科学に対する好奇心や探究心をはぐくむ機会になれば」と企画され、これに合わせて本学が所有している天野特別栄誉教授のノーベル賞メダルとディプロマ(賞状)のレプリカが8月26日から31日まで記念室で特別展示されました。
講演で天野特別栄誉教授は自らの研究生活について、大学院生時代は実験に没頭してとにかくおもしろかったものの、思うような成果を得られず「ストレスの連続だった」と振り返り、この経験から学んだこととして「自らつかんだ信念に従い、これだという道が見つかるまでは待つことも勇気」と強調。挑戦と失敗を繰り返し、偶然も重なって青色LEDの実現に不可欠な高品質の窒化ガリウム結晶を作ることができたことを紹介しました。
講演の中では、2014年10月のノーベル賞発表時のエピソードを披露する場面も。発表時は自分が受賞するとは思わず、海外出張中でちょうど飛行機に乗っており、「トランジット(乗り換え)の時に空港でパソコンを開いたら祝福のメールが大量に届いていて、何のことか分からず、スパム(迷惑)メールかと思った。受賞決定の記者会見も本人は行方不明のまま行われましたた…」と笑いを誘っていました。
子どもたちに「偶然をつかむには、つかむための努力が必要」と呼び掛ける
講演の後半では、天野浩特別栄誉教授は「照明の寿命が40倍になるなど、青色LEDが『コンシューマーエレクトロニクス』から『サスティナブルエレクトロニクス』への転換のきっかけになった」と、青色LEDの創成が社会に果たした役割について説明。最後に「皆さんがこれから社会貢献するために必要な心構えは、最後まであきらめないことです」と子どもたちに呼び掛けて講演を締めくくりました。
講演会後の座談会では、天野特別栄誉教授は身振り手振りを交え、笑顔も見せながら小中学生ら6人の質問に次々と答えました。「偶然が必然的に起こるような行動や視点を持っていたのでは?」との問いには、天野特別栄誉教授は「偶然をつかむには、つかむための努力が必要。自分を無にして自分なりに考え、理解して次にステップに進むことが大事です」と答えていました。
この日は、天野浩特別栄誉教授のノーベル賞メダルとディプロマのレプリカが演台横に展示されたほか、天野浩特別栄誉教授の生い立ちや青色LEDの研究内容などを紹介する展示品も会場内に設置され、聴講した子どもたちや保護者らが講演前や休憩中に熱心に見入っていました。
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小中学生ら6人質問した座談会
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質問に答える天野特別栄誉教授
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ノーベル賞のメダルとディプロマのレプリカに見入る来場者
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青色LED研究の経過などをも紹介