トップページ/娱乐老虎机_mg老虎机-【唯一授权牌照】 論文博士の学位を授与された廣瀬武夫研究者の笹本さんが都市情報学部で特別講義
テーマは「海軍中佐?廣瀬武夫の人物像」 1年生に分かりやすく解説

日露戦争で戦死して軍人として初めて「軍神」と称された海軍中佐?廣瀬武夫の人物像を12年間にわたって研究、分析し、その成果をまとめた論文「日露の都市空間における海軍中佐?廣瀬武夫~未公刊書簡を視野に読み解く廣瀬中佐の表象と実像~」で今年3月に論文博士(都市情報学)の学位記を授与された廣瀬武夫研究者でフェリス女学院中学校?高校講師の笹本玲央奈さんが4月22日、ナゴヤドーム前キャンパスで、都市情報学部の1年生を対象に特別講義を行いました。
研究を始めたきっかけや研究の具体的な進め方なども紹介
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稲葉教授の質問に答える笹本さん
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講義中の笹本さん
笹本さんの特別講義は、日露戦争の研究者で笹本さんの論文主査を務めた稲葉千晴教授が担当する「国際化時代の人間と社会」の講義の中で、「海軍中佐?廣瀬武夫の人物像」をテーマに行われました。入学間もない1年生が対象の講義とあって、笹本さんは初めに研究を始めたきっかけについて「夏目漱石の研究をしていた大学院生時代にNHKのテレビドラマ『坂の上の雲』を見て、漱石と同時代に生きた廣瀬武夫の存在とそのドラマチックな生涯を知ったこと」と紹介しました。
さらに、その後の研究の進め方について、先行する研究者による廣瀬に関する著書やそこに掲載されていた廣瀬の手紙や旧蔵書などのリストをもとに調査を進めたほか、廣瀬の出身地?大分県竹田市を何度も訪れて地元の顕彰会の学習会で講演したり、留学先のロシア?サンクトペテルブルクで足跡をたどったりしたことを説明。「留学中にロシア人の貴族の女性と恋に落ちるなど廣瀬の人柄や思いについても学び、そのまじめな人柄と志の高さにひかれました」と語りました。
そのうえで笹本さんは、博士論文で読み解いた廣瀬の人物像について、1904年に日露戦争が始まってからの120年間で何度も起きた「廣瀬中佐ブーム」を研究した結果に基づいて、「軍神」として一躍有名になった日露戦争期、国際協調と軍縮の時代となって温かい人柄が注目された第一次世界大戦後、国を守る精神を学ばせようとの目的があった満州事変以降などと、それぞれのブームでの人物像の違いを解説。「廣瀬像はそれぞれの時代の理想が投影されていたと言えます」とまとめました。
「廣瀬中佐の実像は現在の私たちにとっても共感し得る」と笹本さん
さらに、廣瀬の手記や未公刊の書簡の研究から、日露戦争の国民的英雄という華々しいイメージとは違い、海軍兵学校時代の度重なるけがによる成績不振や卒業後の昇進の遅れなど、不遇の時代も長かったことも紹介。「それでもロシア語の修得に励んで留学を果たして自らの仕事を全うしたり、日露の開戦後もロシア人との友情を持ち続けたりするなど、実像は現在の私たちにとっても共感し得る人物」と強調。最後に笹本さんは「そんな廣瀬の存在を少しでも身近に感じてもらえれば」と呼び掛けていました。
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自ら撮影した写真なども紹介
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さまざまな廣瀬武夫の写真や絵も紹介