植村優太さん(農学研究科 博士後期課程3年、植物分子遺伝学研究室)

2025年度 笹川科学研究助成?学術研究部門

2025年4月21日

特定の細胞内オルガネラ状態変化によって制御される組織形成メカニズム

植物の根がどのようにして枝分かれ（側根）を作るのか、その仕組みに迫る研究です。今回の研究では、植物の細胞の中にある「プラスチド」という小さな構造（オルガネラ）が、根の成長にどのように関わっているかを調べています。これまでプラスチドは光合成や重力感知などをするオルガネラとして知られてきましたが、側根の発達制御にも関わっている可能性が分かってきました。研究では、極長鎖脂肪酸という特殊な脂肪酸に発現応答する遺伝子がプラスチドの働きを変え、根の成長に影響しているという新しいメカニズムを探っています。これにより、植物の根における新たな発生制御ネットワークの全体像の解明に寄与することが期待されます。