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皆さんこんにちは、外国語学部四年の山中勘太郎です。今回は私が所属している岩井ゼミの紹介と、先日行った卒業公演についてお話します。
| 岩井ゼミについて
岩井ゼミでは主に演劇を勉強します。古今東西の演劇を観ることで演劇への関心を深めるだけでなく、脚本を手に取り物語の内容を理論づけて解釈していくなどの研究も行っています。そして、それらで得た知識や技術は実際に学生が演劇を行うことで実践に移します。
今回、岩井ゼミの四年生は卒業公演として19世紀末に活躍した劇作家のオスカー?ワイルドが手掛けた喜劇「まじめが肝心」の日本語公演を行いました。演劇を行うための舞台も機材もない中で始まった公演までの道のりは非常に長く、音響機器、照明器具、その他小道具等を揃えることから始まりました。もちろん舞台も自分達で作り、全てが一からのスタートでした。
脚本はオリジナルの英語版と翻訳版を参考に自分達で手を加えて作りかえました。それを役者は全体で2時間程度ある演劇の台本を覚えるのですが、これがとても苦戦することとなり多くの役者が悪戦苦闘しました。役者のほとんどが未経験者だったので、発声練習から細かい演技指導まで岩井先生に監修してもらいました。しかし、本番が近づくと学生が自分達でアイデアを出し合って練習することができました。裏方は音響、照明共に機器の使い方から学び、舞台を作っていく過程で演出の細部までこだわりました。効果音であったり、照明の色遣いまで試行錯誤するなど様々な工夫をすることで、演劇の世界観を作り出してくれました。このような長い道のりを経て素晴らしい演劇を成功することができました。
| あらすじ
「まじめが肝心」は1895年に発表された作品であり、ヴィクトリア朝のイギリスを背景に奇想天外なユーモアと登場人物たちによる非常識な倫理観から生まれる矛盾が繰り返される喜劇です。観客は常に物語の中ではナンセンスなセリフが飛び出してくるので、その独特な世界観に一気に引き込まれてしまいます。
物語のあらすじは、ロンドンにてジャックとアルジャーノンが互いが現実逃避に架空の人物を使っている上、アルジャーノンはその行動を「バンベリーする」と呼んでいるとこから始まります。アルジャーノンはロンドンを離れるために病弱な友人である「バンベリー」を使って田舎へ足を運び、ジャックは逆に田舎から出る口実として「アーネスト」という名の弟のふりをしてロンドンを訪れていました。
2人が会話を進める中で、ジャックはアルジャーノンの従姉妹であるグウェンドレンにプロポーズすることを打ち明けるも、グウェンドレン自身がジャックに好意を寄せる理由が彼の「アーネスト」という名前だったことと、彼女の母親のブラックネル夫人が婚約を許可してくれないなどの問題がありました。一方でアルジャーノンはジャックが田舎で後見しているセシリーという女性に興味を持ったため、ジャックの架空の弟の「アーネスト」のふりをしてセシリーのいる田舎へ向かいます。セシリーはジャックから架空の弟の話を聞く中で密かに想いを寄せていたため、2人は出会った後に意気投合します。
しかし、ジャックは架空の弟は伝染病で亡くなったと伝えていたため、突然死んだはずの「アーネスト」のふりをしたアルジャーノンが現れることで田舎の住人に誤解が生まれます。アルジャーノンとジャックは少しずつ崩れていく「バンベリーする」状況に真実をセシリーとグウェンドレンに打ち明けざることになるのですが、そこで問題となるのがジャックの出生だったのです。彼はセシリーの家庭教師をしているプリズム女史が、かつてブラックネル夫人のもとで働いていた時に誤って駅に置き去られた赤ん坊だったのです。
その結果、ブラックネル夫人からジャックはアルジャーノンの実の兄であることが打ち明けられたうえ、ジャックの本名が「アーネスト」であることも判明するのです。こうして物語はどんでん返しの結末で締めくくられます。
| 公演を終えて
日本語公演を終えて、「まじめが肝心」という作品に真摯に取り組む事ができました。作中では作者のワイルド自身の社会に対する皮肉が度々セリフに登場するなど、物語の深いところまで研究できました。次は日本語で行ったこの演劇を全て英語で行います。外国語学部として、岩井ゼミとしての集大成を全力で英語公演で表現したいです。そして、ゼミの仲間たちと一緒に頑張り一生懸命に演劇に励む姿を観客に届けたいです。
私自身まさか大学生活を演劇で締めくくるとは思っていませんでした。大学入学時の自分が聞いたら信じられないでしょう。ただ、外国語学部で過ごした四年間は無限大の可能性で溢れていると胸を張って言うことができます。あらゆる可能性を自分で切り開く事で、想像もつかない未来になりますよ。ぜひ大学ではいろんな事に興味を持って挑戦してみて下さい。
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