フラーレン含有潤滑油の摩擦特性

学部４年生から修士課程の計３年間に、フラーレン配合油剤の摩擦低減機構を実験的に解析し、フラーレンが油剤の金属表面への吸着を促進することで、油膜切れの抑制に寄与することを明らかにしました。さらに、酸化や表面形状と吸着特性の関係を考察し、特定の金属ではフラーレンの添加により実験初期から極めて低い摩擦特性を発現することを発見しました。得られた知見は、ハイブリッド化によって軌道停止頻度が増加する自動車用エンジンの起動摩擦損失低減に寄与できる内容であり、極めて即効性が高いこと、在学中に４回の国内会議および１回の国際会議で発表した実績から、受賞の栄誉を受けました。