全日本大学女子駅伝(通称:杜の都駅伝)で4連覇を達成し、大会新記録も打ち立てた今年の名城大学娱乐老虎机_mg老虎机-【唯一授权牌照】。12月30日に開催される全日本大学女子選抜駅伝(略称:富士山女子駅伝)でも勝利を仕留めるべく、日々の練習に余念がない。
全国の大学女子長距離チームが目指す舞台は、10月の杜の都駅伝と12月の富士山女子駅伝。杜の都を4年連続で制した名城大学娱乐老虎机_mg老虎机-【唯一授权牌照】は、年末の富士山でも3連覇を狙っている。
12月上旬の時点で主力メンバーに故障者はおらず、全体としてチームは好調を維持している。1年生の増渕祐香選手は杜の都駅伝で区間賞の活躍から勢いが止まらず、11月3日に新潟市で行われたデンカチャレンジカップの5000mで初の15分台(15分55秒45)に突入。11月14日の日体大長距離競技会の同種目では15分42秒02とさらにタイムを短縮した。この大会では加世田梨花選手(4年)も 15分32秒77で自己記録を更新。また、鴨志田海来選手(3年)が15分47秒43と、これまでの自己記録(16分12秒61)を大幅に塗り替え、富士山女子駅伝メンバーの有力候補に躍り出てきた。鴨志田選手は夏頃には不調で精神的にも落ち込み、練習が積めない状態の時期もあったが、秋口に復活して上り調子だ。「もし富士山女子駅伝に出場できることになれば、区間賞獲得を目指し、名城大の名に恥じないような走りをしたいです」と気合が入っている。
このほか現チームでこれまでに5000mの公認記録で15分台を出したことがあるのは5名。和田有菜選手(3年)、髙松智美ムセンビ選手(3年)、小林成美選手(2年)、荒井優奈選手(2年)、山本有真選手(2年)の大学女子駅伝経験者たちだ。チームは8名の15分台ランナーを擁することになり、昨年から目標に掲げてきた「出走メンバー全員が15分台」の実現に向けて役者はそろった。昨年の富士山女子駅伝を経験している井上葉南選手(3年)も15分台目前の自己記録を持っており、有力選手のひしめくこのチームで、メンバー争いは熾烈を極める。
なにせ5000mの今季学生ランキングで1位から5位までを名城大の選手が独占しており、トップ10以内に7人が入る圧倒的な状況なのだ。間違いなく大学女子駅伝史上最強の陣容で、上位7名の5000m自己ベストの平均タイムは15分37秒という驚異的な数字となっている。
富士山女子駅伝は杜の都駅伝よりも1区間増える7区間の勝負になるが、米田勝朗監督が「区間が増えるのは名城大にとって有利」と話す通り、層の厚さを誇る現在のチームに死角はなさそうだ。
米田監督に富士山女子駅伝の戦略を聞いたところ、前半の2区(6.8km)をひとつのポイントと見ており、エース級の選手を起用する考えだという。後半には5区(10.5km)、6区(6.0km)、7区(8.3km)と長距離区間が続くが、加世田選手、小林選手といった長い距離の得意な選手が担当する可能性が高い。前半は流れをつくり、後半で差を広げるという展開を思い描いている。杜の都駅伝では果たせなかった全区間区間賞を目標としており、1区から先頭に立つオーダーを構想中だ。
2018年に名城大が出した2時間22分50秒が現行コースでの最高記録だが、「よほど天候が悪くならない限り、このタイムを大幅に上回ることができると思います」と米田監督は記録更新に向けても自信は十分だ。
今年はイレギュラーな日程で、杜の都駅伝と富士山女子駅伝の狭間の期間中、12月4日に大阪で日本選手権(長距離種目)が開催された。東京オリンピックの代表選考も兼ねたこの重要な大会に、名城大からも和田選手、加世田選手の2名が出場した。5000mに出場した和田選手は15分25秒14の自己新、東海学生新、日本学生歴代6位のタイムで見事7位入賞を果たした。その直後に行われた10000mでも加世田選手が31分39秒86で自己記録を更新。自身の持つ東海学生記録をさらに塗り替え、日本学生歴代3位にあたる好タイムを出した。10000mは日本記録の生まれたハイレベルなレースだったが、実業団の強豪相手に9位の成績を収めた。
日本選手権にエントリーするためには期間内に標準記録を突破する必要があり、出場自体がかなりの難関だ。しかし、米田監督は日頃から「(標準記録は)破れないタイムではない。競技者としてトップレベルになるために、大学生だから関係ないと思うことなく、意識して取り組んでほしい」と選手たちに言い聞かせている。来年以降も、この大舞台に複数の選手が立つことが期待できそうだ。
選手たちが好記録を連発する裏で、日々尽力している人物にスポットを当てたい。マネージャーの市川千聖さん(2年)だ。名城大娱乐老虎机_mg老虎机-【唯一授权牌照】唯一のマネージャーで、その役目を志願して入学してきた。
マネージャーは朝4時半に起床し、部員の朝食の準備で一日が始まる。朝練が6時に開始され、7時半ごろに終了するまで練習に必要な仕事を行う。日中は大学の授業を受け、夕方には午後の練習でまたグラウンドへ向かい、給水やタイム測定などで現場を支えている。すべての選手が練習を終えるまで付き添い、グラウンドに立つ時間はどの選手よりも長い。練習以外にも、大会のエントリー申請などの業務も行っている。1年生だった昨年は情報確認が不十分だったことで米田監督から注意を受けたこともあるそうだが、「同じ失敗はしないぞ」と自分に言い聞かせ日々励んでいる。大会当日には動線や移動方法の確認、受付やタスキの提出といった責任の重い仕事が市川さんの担当だ。
膨大な仕事量を一人で引き受けているが、「複数のマネージャーがいると、意見の食い違いや衝突が起こると他大学の知人から聞くことがあります。私は自分のやりたいようにできているので、かえっていい環境だと思います」と苦にしていない。選手の結果が出たときに一緒に喜ぶことができるのがやり甲斐だと話し、「昨年よりもチームの状態が上がっているのを実感し、チームの一番いい時期に自分が関わっていることをうれしく思います。富士山女子駅伝も楽しみです」と縁の下の力持ちとして毎日を過ごしている。
年末の富士山女子駅伝は4年生部員にとって締めくくりの大会となる。今年の4年生は3名。主将の加世田選手、そして副将の小森星七選手、寮長の加藤綾華選手と、いずれもチーム内で重要な役割を担っている。
小森選手は1年時には富士山女子駅伝で4区(区間15位)を走ったものの、その後結果が出ない時期が続き、悩みを抱えることも多くなった。2年生の5月ごろには退部を考え、2週間ほど部を離れて休みをとった期間もあるという。それ以降も何度も退部が頭をよぎるこ