MEIJYO_UNIVERSITY2025
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096マイクロシステム工学 (市川 明彦) 研究室学生×教員 誌上ディスカッションON-PAPER DISCUSSION自ら考え、作り上げる実習が一人ひとりの探求心を刺激する学生 近藤さん(以下学生) ロボットには高校生の頃から興味があり、本学科ではロボットの開発にもチャレンジできることに魅力を感じて入学しました。市川准教授(以下准教授) 本学科は、機械と電気が融合する分野を学びの主軸に据えて、次世代に役立つシステム開発に挑む学科です。学生 機械設計や電気回路設計、制御といった実践を通して、エンジニアに必要とされるスキルを養うことができました。とくに印象に残っているのは、3年次後期に行われる「機能再現演習」です。チームに分かれて作りたい装置を自由に発想して形にする演習で、さまざまな機能を搭載した介護用ベッドの制作を行いました。腸内環境を明らかにするマイクロロボットの研究に専念准教授 研究室では、細胞や微生物などバイオテクノロジーの世界にロボットを活用する研究を行っていますが、中には生物学に馴染みがない学生もいます。研究室で制作したり学ぶうちに、自分のやりたいことが見つかることも多いですね。学生 私は腸内細菌を回収するロボットの研究開発に取り組んできました。カプセル内視鏡と同サイズのカプセルに磁石を組み込み、体外からの磁力によって体内に取り入れたカプセルを腸壁に押し付けながら、腸内細菌を回収する研究です。准教授 腸内フローラは個人によって状態が異なると言われており、簡易に解析できることが望まれています。どれぐらいの力をかけると腸内細菌が効率よく回収できるのか、自ら考えて実験を進めていく近藤さんの意欲は、私も脱帽するほどでした。使命は、課題解決力を身に付けたエンジニアを養成すること学生 ロボットは命令に対して自動で動く機械というイメージがありましたが、バイオや微生物の領域にも活かせるものだとは想像していませんでした。市川先生の研究室で学んで視野が広がりました。准教授 近藤くんは、とても研究熱心で自分の力で研究を進めていく力を持っています。実験に使用する牛の腸を自分で調達していた時には驚きました。学生 それは研究を行うために必要な心構えや手順、様々な機械設備の操作方法も、学科でしっかり学ぶことができたおかげです。卒業後は、繊維機械や自動車関連製品の製造を手掛ける企業に入社を決めました。革新的な性能を誇るニッケル水素電池の研究開発に携わりたいと思っています。准教授 エンジニアとして活躍するためには、基礎的な知識に加えて、応用力が重要です。そのためにも養いたいのが課題解決力。研究を動かしていく原動力になるものだと思います。課題を見つけ、解決していこうとする力を身に付けた近藤くんの、これからの活躍に期待しています。

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