MEIJYO_UNIVERSITY2025
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084ナノ構造組織化 (小澤 理樹) 研究室学生×教員 誌上ディスカッションON-PAPER DISCUSSION興味があることを自由に研究発想次第で面白い展開になることも!学生 倉田さん(以下学生) 物質を構成する最小単位の素粒子など微細な物質に興味があり、原子?分子レベルで学べる応用化学科へ。ナノ構造組織化研究室は分野が幅広く、好きなことを自由に研究できる環境が魅力でした。学科の授業を超えた領域の学びが中心なので、いつも新鮮でワクワクしながら研究に取り組んでいます。小澤准教授(以下准教授) 本研究室では、血管網や神経回路に着想を得て、ネットワークを形成するシステムの構築に取り組んでいます。学生が発した案を活かすことで、研究が面白い展開になることも。自由に活動できる反面、なかなか要領をつかめず苦労することもあるかと思いますが、自発的に学びながら研究を進め、学会発表も盛んに行っています。自分の頭で考えて行動することで多彩な学びが得られる学生 私の研究目標は、ニューロンの特性を参考にした認識デバイスをつくること。本学科の講義にはないプログラミングも取り入れながら、ニューロンの特性を再現できる材料や条件をシミュレーションする日々です。神経細胞のニューロンがいかにして脳の機能を発現しているか、どのようにして学習?成長するのか…。AIはどのようにして脳機能を模倣しているのかなども調べ、研究に役立てています。准教授 神経回路のように、恒常性を維持しながら成長や進化を起こす人工的な系統を構築するのは簡単ではありません。科学の発展に伴い、化学はもちろん、生物学にも物理的要素が増えています。多分野にわたる知識の重要性が高まる中、本学科の講義や研究室での活動を通して、多彩な学びが得られると思います。断片化された情報をつなげて理解し自分のものとして活用する学生 私は研究を通して、脳神経がいかにして思考?学習しているのか掴めました。復習しないと記憶の8割は数日中に失われてしまうと言われています。3年次まで勉強を振り返ると、復習したかどうかで記憶の違いに大きな差があり、記憶力が脳の構造に関係していると実感しました。どのように学習すれば効率が良いか、どんな学習法が人間の脳に適しているかを考えることで、今後の勉強はもちろん、仕事の効率化にもいかせると感じています。准教授 論文の内容を人に話すことも復習になります。効率の良い勉強法のひとつにも、なぜそうなのかというメカニズムがありますが、テクニックとしてどう形にするかは人それぞれです。形だけマネをしてもうまく働かないので、自分なりにカスタマイズすることが大切。倉田くんは日々の研究活動で、情報をつなげて相互の関係から深く理解し、答えを導き出す力が培われたと思います。たくさんの断片化された情報があふれる現代社会においてこの能力はとても重要です。

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