036民法?消費者法?建物区分所有法 (野口 大作) ゼミナール学生×教員 誌上ディスカッションON-PAPER DISCUSSION憲法?民法?刑法を広く学び、ゼミでは生活に密着した民法を深く学ぶ学生 大石さん(以下学生) 法学部の学びは、主に憲法?民法?刑法に分かれます。中でも民法は、私たちの暮らしを守る身近な法律です。私は、民法の「代理」という分野を学んだ時に民法の面白さを感じました。代理の身近なケースでは、未成年者の代わりに保護者が代理人となって契約するなどがありますが、代理の権限を超えて行った行為はどうなるのかなど興味深い点が多く、ゼミで深く学んでみたいと思いました。野口教授(以下教授) ゼミでは、民法の授業の復習をしたり、過去の判例を参考にしながら、民事裁判例の基礎的研究を行っています。法律というと難しく感じられますが、大学に通う学生は全員、法律の下で大学側と「在学契約」を結んでいます。学生が興味深く学べるように身近な例に置き換えて教えています。自分たちが主体となったグループワークでチームで活動する力が身についた学生 ゼミはグループ活動が中心です。今までの講義で知り得た知識をいかし、わからないことを調べながら、グループで判例や学説に関する発表を行います。仲間と一緒に発表に使用するレジュメを作ったり、お互いにわからないことを補ったりすることで、コミュニケーション能力や意見の違いを受け入れる力などが磨かれて、これらの力がインターンシップでのグループワークにも役立ちました。教授 発表者以外の学生もただ傍聴するのではなく、グループ内で議論し質問を考えて質疑応答します。その際、私がアドバイスやサポートなどをしますが、基本的にはゼミ生同士が主体的に議論することを大切にしています。自分の意見にも理由を求められ、深く考える思考力が身についた学生 ゼミのグループ発表では、発表者以外のメンバーにわかりやすく的確に伝えられるように意識しました。自分が思ったことをそのまますぐに発言するのではなく、メモを取って頭で整理してから発言しています。また質疑応答では、賛成意見であっても「なぜ賛成なのか?」と理由づけが求められました。そのため、自分の意見を固めて、根拠ある意見を相手に伝えるための論理的思考が磨かれたと思います。教授 世の中にある法律や制度、過去の判例を題材に「なぜこの制度があるのか」「なぜ最高裁はこのような判決を下したのか」などを考えることがとても大切なんです。そうした深く考える力は、やがて「自分はどう行動すべきか」という先見的な力にも発展し、社会に出た時に自分を支える力となると思います。学生 法律を学ぶことは社会で自分を守ることにもつながります。民法のほか、労働法など就職後にも役立つ内容もたくさんあるので、これからも積極的に学んでいきたいです。
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