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118応用微生物学 (加藤 雅士) 研究室学生×教員 誌上ディスカッションは な の し ろON-PAPER DISCUSSIONJAXAとの協同で宇宙実験を実現学部生が学会発表できるチャンスも教授 応用微生物学研究室では「華名城」に象徴されるような発酵?醸造に関する研究開発の他に、微生物から新しい酵素や遺伝子を発見すること、微生物を利用して有用な酵素を生産させる技術開発なども行っています。学生 中でも私が今取り組んでいるのは、タンパク質を分解するメタロプロテアーゼと呼ばれる酵素など、未知なる酵素のハンティングです。成果次第では、学部生でも学会発表ができるという点もモチベーションになります。私も3年生で学会発表の機会をいただきました。教授 本研究室では、これまでも多くの実績を上げています。例えばマンナンを分解する麹菌由来の酵素を発見し、JAXAとの協同による宇宙実験を通じて無重力下でタンパク質の結晶化を行ない、3次元構造の解明に成功したことも高い評価を得ています。化学を基に食品や微生物と向き合う豊富な実習?実験も強みに加藤教授(以下教授) 応用生物化学科の特長は、化学をベースに食品や化粧品、微生物や動物などさまざまな対象と向き合い教育?研究をする点です。また実習?実験量の多さも本学科の伝統だと思います。学生 川嶋さん(以下学生) 私は出身高校がSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定校だったこともあり、高校時代から酵母の研究に取り組んでいました。大学でも酵母や発酵について学びを深めたいと考えていた時、「こう見えて、名城大卒です。」という農学部のポスターが目に飛び込んできたのです。カーネーションから採取した野生酵母を用いて開発した大学ブランド清酒「華名城」と、その学びをPRするこのポスターを見た瞬間、「この研究室に入りたい!」と強く感じました。99%の未知なる微生物が秘める無限の可能性を追い求める教授 分子に着目して化学という視点で生命現象を捉えることは、例えば抗がん剤開発やバイオマス利用など、医療、製薬、食品、環境に関する様々な課題解決に役立ちます。学生 手がけている研究が、未来の誰かのために利活用される発見になるかもしれないと考えると研究に熱が入ります。教授 世の中で認識されている微生物は全体の1%以下、0.1%程度であると言われています。まだ解明されていない残り99%以上の未知なる微生物は、それぞれ異なる個性を有するわけですから無限の可能性が広がっています。学生 本研究室は先生方をはじめ先輩、後輩問わず研究の同志という雰囲気があり、気軽に相談できる関係性が強みです。私は将来、発酵や微生物酵素を用いた研究開発に携わりたいと思っています。また、教職にも興味があるので、研究キャリアを積んだ後、教育現場で若い人々に研究の醍醐味や微生物の素晴らしさを伝えられたらいいなとも考えています。教授 研究職の道だけが正解ではありません。先端の高度な知見を持った人が教育現場をはじめ広く社会に入り込んでいくことは、次世代育成に向けて大きな一歩になると期待しています。

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