MEIJYO_UNIVERSITY2025
105/148

104維持管理工学 (小塩 達也) 研究室学生×教員 誌上ディスカッションON-PAPER DISCUSSION環境に関わる技術者としての素養や社会人としての基礎を身につける学生 東さん(以下学生) 環境創造工学科では、1年次は数学や物理といった理工学の基礎科目を学び、2年次からは専門科目を学びます。専門科目は土木、建築、エネルギー、水処理など幅広い分野の中から自分が興味のある分野を選択し、学びを深めることができます。私は土木分野の構造力学や建築分野の設計学などに興味をもち、小塩教授の研究室に入りました。小塩教授(以下教授) 本学科は「環境」をキーワードに幅広い領域を学ぶことができます。学生には将来の技術者としての素養、そして社会人としての基礎を身につけてもらうことを目指しています。また、単に座学を学ぶのではなく、実験?測定などのフィールドワーク、データ解析などを行い、いま存在している各種の問題や現象に対峙するという経験ができます。体験を伴う実験?計測で理学系の学びはもっと楽しくなる学生 研究室を選ぶ際、複数の研究室を訪問して実験や研究を体験します。小塩教授の研究室を訪れた時にエレベーターに乗りながら加速度を計測するという実験を行いました。「加速度」という目に見えないものを数値で明らかにできるのが面白いと感じました。教授 実際の動きを体感しながら計測して、研究の基礎を楽しんでもらうという狙いがあります。私は教育用教材として、構造や材料を勉強するための新しい手法について検討しています。その中では「学生自身が計測操作をすること」「体験を伴うこと」「その場ですぐに可視化し結果が見えること」の3点を重視しています。研究の過程を肌で感じる手法を取り入れれば、理工学系の学びはもっと面白くなるのではないでしょうか。指示されて動くのではなく、自分自身で考えるその過程が将来の力になる学生 研究室では、構造物の振動現象を短時間で理解する手法について研究しています。振動現象は複雑で、座学だけでは深く理解できません。そこで私は、その場で振動現象をリアルタイムに観察できる手法が取り入れられないかと模索しています。小塩研究室では、一から教授に教えてもらうのではなく、まずは自分で考える姿勢が求められます。その姿勢は社会に出てからも求められることだと思いますので、卒業後も自分から進んで行動できる姿勢を保っていきたいです。教授 指示を受けて研究を進めるのではなく、学生自身が次に何をしたらいいのか考えられるようになることが大事です。また、問題の本質はどこにあるのか、問題そのものは正しいだろうかといった、メタ思考ができる人になってほしいと思っています。その訓練として、学生に「カレーとハンバーグのどっちを食べるか」といったふざけた質問をすることがあります。学生には面倒なことを言う先生だなと笑われているかもしれませんが、研究室での学びや思考が将来の力になればいいなと思っています。

元のページ  ../index.html#105

このブックを見る